社会人2年目の頃、職場のストレスが原因でうつ病を患いました。
憂鬱な気持ちが何日も続き、
いつまでたっても、辛い気持ちは消えることなく続き、
しだいに、夜も眠れなくなっていきました。気持ちの落ち込みは、日ごとにひどくなっていき
突然涙が止まらなくなったり、深い絶望感に苛まれるようになり、
自殺願望も芽生えてきました。そして、ついにあるとき、
朝、起きられなくなってしまいました。「仕事に行かなくては」
と、頭では思うのだけれど、仕事に行こうと思えば思うほど、
身体は余計に動かなくなっていきました。そんな私を心配した家族は、心療内科の受診を勧めました。
当時の私は「うつ病」という言葉は知っていたものの、
自分程度の症状が「うつ病」に当たるなんて思いもしませんでした。ただ単に、ストレスが過剰に溜まっているだけ、
この程度で、心療内科に行ったら笑われてしまう、
そんなふうに感じていました。家族の執拗な勧めに折れ、全く気は進まなかったけれど、
私は心療内科を受診しました。初老の優しそうな先生が、丁寧に時間をかけて問診してくれました。
自分の育った環境、家族構成、職場のことなどを聞かれたのを
なんとなく覚えています。問診の後、先生は、
私が「うつ病」であるということ、
うつ病は、時間はかかるけれど、投薬と通院で治る病気であるということ、
決して私が悪くてかかった訳ではなく、誰にでも起こり得る病気である、
ということを、丁寧に説明してくださいました。受診前は、自分が「うつ病」だとは、全く思えなかった私ですが、
先生に「うつ病」と診断されて、正直、どこかホッとしている自分がいました。ずっと気分が落ち込んでいて、暗い気分が続いていたり、
仕事の行くのが辛かったり、死にたくなったりしたのも、
自分が弱さや、甘えのせいではなく、病気の症状だったということが分かって、
ある意味、安心したのだと思います。その日から、服薬と通院による治療が始まりました。
2種類の抗うつ薬と、1種類の睡眠導入剤を処方されました。睡眠導入剤は、本当によく効きました。
今まで眠れなかったのが嘘のように眠れるようになりました。抗うつ薬は、人によっては副作用が出るという話を聞いていましたが、
私の場合は、飲み始めのころは、ボーっとするような感覚がありましたが、
薬が身体に合っていたのか、さほど強い副作用は感じませんでした。治療の開始と同時に、私は医師の勧めで休職をしました。
(最終的には、元の職場に戻ることはどうしても無理だったので退職しました)最初の頃は週に1度通院していました。
その頃は、通院のために外に出るだけで、
異様なほど疲れてしまい、その後2日間は何もできなくなりました。
そういうときは、とにかく横になっていました。辛い気持ちになったり、死にたくなったり、
自己否定の気持ちも涌いてくることがありました。
そういうときは、家族や恋人(現在の夫)に助けられました。必ず誰かが常にそばにいてくれました。
「がんばれ」などという言葉は一切言わず、
ただ、そばにいてくれました。今、思い返すと、このことが私の大きな支えになっていたのだと思います。
しだいに症状のピークが過ぎると、外出時の疲れの度合いも軽くなっていきました。
2週に1度、3週に1度と通院の回数も減っていきました。服薬を初めて10カ月ほど経った頃には、かなり症状が安定してきていました。
その頃に「そろそろ減薬を考えても良いと思います」
と、先生から言われ、薬の減薬が始まりました。半年くらいかけて、少しずつ薬を減らしていきました、
薬を飲まなくなってからも、3~4週に1度くらい通院していましたが、
発病から2年弱くらいの時期に「寛解」との診断をいただきました。寛解後も、うつが再発することもあるそうなので、
「何かおかしいと感じたら、すぐに受診すること」と、言われましたが、
その後、うつが再発することなく、今日に至っています。うつの治療中に仕事はやめてしまいましたが、
その後、結婚して、子どもにも恵まれました。また、新たに別の仕事にも就くことができました。
子どもの幼稚園や学校のPTA活動にも参加し、充実した日々を送っています。「うつ」は、病気です。
そして、適切な治療で治る病気です。
私がまさにそうでした。治療をしたおかげで、今の幸せな毎日を手に入れることができました。
あのとき、心療内科を受診して本当に良かったと思っています。
※本記事は個人のうつ病体験談です。体験内容はあくまで個人の体験であり、医療アドバイスではありません。専門的なアドバイスを希望する場合は医師へ相談を。
※This article is a personal depression story. The content is solely based on personal experience and is not medical advice. Consult a doctor for professional advice.
