私は30歳前に、仕事と家事の両立、
そして同居する姑との折り合いが悪く、
そのストレスからうつ病になりました。出産後間もなく夫の勤める会社が倒産し、
夫が再就職先を探す間、夫の実家に住ませてもらって、
私もパートに出るようになりました。夫はそれまでは育児も手伝ってくれたのですが、
姑はそれが気に入らなくて、夫に一切させなくなり、
私にすべてをさせるようになりました。フルタイムの仕事から帰ってきて食事の支度、
家事の合間に子供の世話。それから姑の嫌がらせと小言。体がひどく疲れて、でも寝れなくなって、
そういう状態が続いた後、とうとう朝起きれなくなりました。姑が心配する夫に「なまけているだけだ」という声が聞こえて、
なんとか起き上がろうとしましたが、体に重りがついているかのように動けません。ベッドに寝ていましたが、その間の記憶はなく、
たまにふっと我に返って「ああ、そうかまだ起きれてないんだ」と
他人事のように思うだけでした。そばのベビーベッドで子供が泣いているのに、
その泣き声が遠くで聞こえているようで、頭の中がぼんやりしていました。夫がバタバタと子供の世話をしてくれているのはわかりましたが、
心の電源が切れたように動けません。ただ涙が出てきて、実家の母に携帯で助けを求める事しかできませんでした。
母と父はすぐに来てくれて、ベッドで寝たままの私を見て、
そのまま実家に連れて帰ってくれました。病院に行くと、すぐに精神科を紹介されました。
医師は「大変だったね」と労わってくれて、
しばらく何もしなくていいからゆっくり休みなさい、と言ってくれました。私はその言葉ですごく救われたような気持ちになりました。
それから処方された薬を飲みながら実家で数ヶ月暮らしましたが、
不思議とその間は子供のことは頭の中にはありませんでした。それも病気のせいだったのでしょうが、
あの時はそれが良かったのだと思います。もし少しでも子供の事を思っていたら、
私は寂しさと罪悪感でどうなっていたかわかりませんから。うつ病は「死にたくなる」病気だと言われますが、
私も何度も死にたいと思いました。あれはどう言ったらいいのかわかりませんが、
辛いから死にたいのではなく、「自分がこの世からいなくなるのがベスト」
なのだと思ってしまうのです。患者は、生きていることそのものに罪悪感を感じています。
そういう思考になっているのです。だから死を思う時は案外患者自身は楽な気持ちなのです。
そして怖さもなく、安直に死を選んでしまうのです。私の場合は、母が何度も私を抱きしめて「死なないでね、お前が一番大事だから」と
言い続けてくれたことが救いになりました。私は今は状態が安定して、夫も再就職し実家を出て、
以前のように親子3人で暮らしています。夫は以前より優しくなり、私を常に気遣ってくれるようになりました。
たまに死が頭をよぎりますが、「それは病気がそう思わせているんだ、
明日になればこの考えは消えているんだ」と自分に言い聞かせるようにしています。
※本記事は個人のうつ病体験談です。体験内容はあくまで個人の体験であり、医療アドバイスではありません。専門的なアドバイスを希望する場合は医師へ相談を。
※This article is a personal depression story. The content is solely based on personal experience and is not medical advice. Consult a doctor for professional advice.
