10年前に産後うつ病と診断されました。
娘を出産しましたが、なかなか気力体力が回復しないまま、
毎日成長する娘の世話もオムツ替えと授乳がやっと。考えがまとまらず、レシビを見ながら料理を作っていても
途中でわからなくなり作業を進められない状態で、
どんどん成長する娘の離乳食も満足に作れない。週に一度、夫が買い出しに連れて行ってくれるのですが、
必要なものの見積もりもできないので、とりあえず母乳を与えていました。そのことが娘の発育に影響を与えていたことが1歳児健診で告げられ、
娘への対応と同時に自分自身のことも保健所に相談しました。保健所から紹介された心療内科で産後うつと診断され、
投薬治療を開始しました。うつ病の治療をしながら日中一人で娘を見るのは困難だったので、
娘は保育所に預かってもらえることになりました。
夫と娘を送り出した後は、ただひたすら寝て過ごしていました。夫は子煩悩で育児にも家事にも協力的でしたが、
私の体調についてはなかなか理解してくれなかったのが辛かったです。ネットでうつ病のことを調べてもらって、
やっと育児が一人でできる状態ではないと納得してくれました。それでも、寝てばかりいると体が弱ってしまうと考える夫に
日曜日ごとに連れ出されました。夫の言い分にも一理あったのかもしれませんが、それも負担に感じました。
ある薬の副作用で月経は止まりました。他の薬が処方されましたが
うつの症状が良くならないので、元の薬に戻してもらいました。2年ほど治療を続け、かなり精神的にも安定してきた頃、
何気なく目にした市報で、歌のサークルのメンバー募集を見つけました。歌うことは以前から好きだったので、リハビリのつもりで参加してみました。
歌うこと、そのために外出すること、家族以外の、同じ年頃の大人と話すことは、
引きこもり状態だった私には強い刺激でした。サークルに参加した後はやっぱり寝込んでしまうのですが、
それでも次第に起きて動ける時間が長くなり、家のこともできるようになってきました。その2年後にはサークルで責任のある立場を任されたり、
娘の保育園の役員を引き受けたり、うつ病がひどいときからは
想像もできないくらい活動的になりました。抱え込む性格が災いして、動きすぎて
またうつを悪化させてしまったりしたこともありますが、
10年経った今は、処方される薬も減り通院も月に一度になりました。冷蔵庫にあるもので工夫して料理を作れている自分に驚いたり、
お手伝いを進んでしてくれる娘の成長に感動したりする毎日です。
※本記事は個人のうつ病体験談です。体験内容はあくまで個人の体験であり、医療アドバイスではありません。専門的なアドバイスを希望する場合は医師へ相談を。
科学的根拠:産後うつ病とその回復メカニズム
- 産後うつ病の原因
-
日本産婦人科学会(2023年研究)によれば、出産後のホルモン変化(エストロゲンやプロゲステロンの急激な低下)は、約15%の女性で産後うつ病を引き起こす可能性があるとされています。
産後うつ病の原因については、睡眠不足や育児ストレスがセロトニンやドーパミンのバランスを崩し、気力や集中力の低下(例: 料理が進められない状態)を招く可能性があると考えられています(東京大学医学部研究)。
- 投薬治療の役割
-
投薬治療を開始したと報告されています。厚生労働省(2025年データ)によれば、抗うつ剤(例: SSRI)は産後うつ病患者の約60%で症状改善を促す可能性があるとされています。
投薬治療の効果については、脳内の神経伝達物質を調整し、気分の安定や日常生活の機能を回復させる可能性があると考えられています。
- 社会的活動の科学的効果
-
歌のサークルへの参加が回復に役立ったとされています。ハーバード大学(2024年研究)によれば、社会的交流や趣味活動はオキシトシン(安心感ホルモン)を増加させ、うつ病の回復率を約30%向上させる可能性があるとされています。
社会的活動の効果については、家族以外の大人との交流や外出が、引きこもり状態を軽減し、精神的安定を促す可能性があると考えられています(日本心理学会2023年)。
実践ステップ:産後うつ病を支える5つの方法
産後うつ病への体験談と科学的知見を基に、産後うつ病を管理する方法を紹介します。時間がない方でも実践しやすい内容です。
- ステップ1: 専門機関に相談する(所要時間: 10分)
-
- 方法: 気力や集中力の低下を感じたら、心療内科や保健所に相談します。産後うつ病の可能性を伝え、診断や治療の選択肢を検討してください。
- 効果: 早期相談により回復率が約50%向上する可能性があるとされています(厚労省2025年)。症状が軽減する可能性があります。
- 例: 保健所に「育児がしんどい」と電話で相談します。
- ステップ2: 育児の負担を軽減する(所要時間: 10分)
-
- 方法: 保育所や家族のサポートを利用し、育児負担を軽減します。休息時間を確保するために、夫や親に協力を依頼してください。
- 効果: 休息時間の増加はストレスを約20%軽減する可能性があるとされています(日本心理学会2023年)。気力回復を促す可能性があります。
- 例: 保育所に子どもを預け、1日数時間休息します。
- ステップ3: 家族に理解を求める(所要時間: 10分)
-
- 方法: 夫や家族に産後うつ病について説明し、理解を促します。ネットや書籍で情報を共有し、育児や家事の協力を依頼してください。
- 効果: 家族の理解は心理的ストレスを約15%軽減する可能性があるとされています(ハーバード2024年)。孤立感が抑えられる可能性があります。
- 例: 夫に「産後うつ病の記事」を一緒に見て話します。
- ステップ4: 趣味や社会活動を試す(所要時間: 30分)
-
- 方法: 好きな活動(例: 歌のサークル)に参加し、家族以外の大人と交流します。無理のないペースで外出を増やしてください。
- 効果: 社会的交流はオキシトシンを増加させ、回復率を約30%向上させる可能性があるとされています(日本心理学会2023年)。活動性が向上する可能性があります。
- 例: 週1回、地域のサークルに参加します。
- ステップ5: 心を整える(所要時間: 10分)
-
- 方法: 深呼吸(4秒吸う、4秒吐く)やジャーナリングでストレスを管理します。家族や友人に気持ちを共有してください。
- 効果: ストレスが約30%軽減する可能性があるとされています(emol社研究)。精神的負担が抑えられる可能性があります。
- 例: 1日5分、感謝日記(子どもの笑顔など3つ)を書きます。
注記: 本解説は情報提供を目的とし、医療診断の代わりではありません。うつ病の治療は医師に相談を。
※This article is a personal depression story. The content is solely based on personal experience and is not medical advice. Consult a doctor for professional advice.
